一人ひとりがバトンをつなぎ地域のトップランナーへ
当社は現在、苫小牧市に本社、札幌市と新ひだか町に支店、新冠町に営業所を置き、公共事業から商業施設、個人住宅まで幅広いフィールドで電気・通信設備の工事事業を展開しています。近年では太陽光発電やLED照明、デジタルネットワークの設計施工やメンテナンス等も手掛け、時代の流れに寄り添いながら社会に欠かせないインフラの整備に一貫して携わってきました。1914年に創業し、会社としては今年で110周年ですが、もちろん働く人間は幾度も世代交代しています。それぞれの時代の社員がそれぞれの立場で仕事と真摯に向き合い、挑戦と成長を繰り返しながらバトンをつないできてくれたからこそ、長い歴史を誇る企業になりえたのでしょう。結局、会社は「人」がすべてですから、人材育成は常に最優先課題です。そこで2021年度に、若手社員向けの研修プログラム「錦戸アカデミー」を開講しました。錦戸電気の社員として備えるべき基本スキルから各職種で必要な専門スキルまでを3年間で体系的に学んでもらう当社独自のカリキュラムですが、講義や実習の指導にあたるベテラン社員にとっても日々変化する法規や技術の学び直しにつながり、社員同士の結束を促す面でも効果を発揮しています。一人ひとりが社の看板を背負うスペシャリストとなってチーム全体の力を底上げし、より質の高い仕事をこなしていくことで、さらに進化した「錦戸ブランド」を次代へ引き継いでいきたい。今はまだ道の半ばです。
ホールディング経営を推進し時代を勝ち抜く体力を強化
2023年2月に北海道EFホールディングス(株)を設立し、苫小牧市の清水電設(株)、札幌市の(株)吉本電業社をグループ企業とする協業体制を構築しました。各社の強みを生かして対応可能な地域や業務を増やし、ビジネスチャンスを拡大できる利点もありますが、最大の狙いは人手の確保。社員にとっても仕事の幅が広がったり、勤務地の融通が利きやすくなったりと、さまざまなメリットが生まれています。この業界は今、大きな転換期にあります。働き方改革が進むにつれ、従来の工事の進め方では利益率を維持するのが難しくなっているのです。一方でラピダスの北海道進出も重なり、どの現場も人手不足に拍車がかかっています。そうした地域の最新の動向と、さらに先を見据えた長期的な視野で戦略を練っていかなければなりません。例えば社内ではDXを推進して管理効率の向上を図り、社外では関連業種とのM&Aを進めてグループ企業を拡充するなど、多面的に対策を講じながら、変革の時期を勝ち抜いていくための体力を増強することが不可欠だと考えています。
やりがいとライフワークバランス 社員に選ばれる会社を目指して
人の生命に直結するライフラインを担う仕事であることにプライドを持つとともに、町に形として残るものを仲間と一緒に造り上げていく過程に面白さを感じてくれる、そんな人材と一人でも多く出会いたい。そのためにも「ここで働きたい、働き続けたい」と思ってもらえる会社を目指し、社員満足度の向上に日々注力しています。「会社のために社員がいるのではなく、社員とその家族のために会社がある」というのが私の信念。身内の行事がある日には遠慮なく休みを取るよう日頃から奨励し、5年ごとに実施している家族同伴の社員旅行では、参加した皆が楽しんでくれている様子に心から喜びを感じます。最近は価値観も多様化し、何をモチベーションに働くのかも人それぞれ。社員にはぜひ会社を上手に利用して、自分自身の人生を豊かにしていってほしいですね。