株式会社耕電設

室蘭の小さな電気工事店から始まった当社は、現在、公共施設や民間企業などでの電気工事、電気設備工事、通信設備工事、防災設備工事を行っています。地域のお客様に支えられ、札幌や本州での工事にもお声掛けをいただいて事業を拡大し、札幌支店、関東営業所、仙台営業所を設けるに至りました。2022年に創業50周年を迎え、新たな未来へ向け歩みを進めています。
その中で大切にしているのは、社員が成長しながら上司も共に学び成長する「人財共育」です。当社は、社会情勢的に新卒採用を見送る企業が多かった時代にも、コツコツと採用活動に取り組んできました。そのため、社員の平均年齢は30歳代です。当社の特色として、一人一人が個人の目標を数値化し、達成すれば評価される制度を取り入れています。なぜなら、従業員の成長なくして会社の成長はないと考えており、人が育つ環境をつくり続けてきました。

新しいことも積極的に取り入れています。その一つが、「建設ディレクター制度」です。これは工事関連のデータ整理や書類の作成、資材の発注など、現場を支えるためのバックオフィス業務を担う人材を育てる民間制度で、当社では新卒で入社した女性社員がこの制度の育成プログラムで学び、2022年に資格を取得しました。それまでは、現場を統括する現場代理人がバックオフィス業務も担っていたため業務過多になっていましたが、資格取得者の支援、またIT化などで分業を進めることで負荷を軽減することができました。建設ディレクターとして勤務する本人も、ものづくりの一助となれる仕事が楽しいと話しています。今後は、この役割を担う人材を増やし、部署を大きくしたいと考えています。女性か男性かにこだわらず、適材適所で人を配置し、多様性のある組織を目指すことは、2024年問題を解消する足掛かりにもなると考えています。
資格取得を目指す人のための「電気工事士試験対策講座」の開催も始めました。2023年から資格試験に向けて開催しております。これまで女性や学生も含め多くの方が受講くださいました。開催の目的は電気工事士の仕事を広く知ってもらうことなので、誰でも講座を受けることができます。当社の仕事は専門性が高いので、勉強していただくことでより現実味をもって就職を考えてもらえるようになり、ミスマッチを減らすことにもつながっていくと考えています。今後も、業界を知ってもらう一助として長く続けていきたいと思います。

環境問題への取り組みも、できるところから進めています。電気工事業では太陽光発電システムやLED施工など、環境に配慮した工事を数多く受注しています。本社でも太陽光パネルで自家発電を行い、CO₂排出量を可視化できるクラウドサービス「zeroboard」も取り入れ、活用しております。難しく考えるのではなく工具や資材を効率よく使うことも、環境負荷を減らす取り組みとして推進しています。そのほか、社会貢献として地域の保育所のイルミネーション設置、地域清掃のボランティア活動、室蘭出身のスポーツ選手への支援などを通して、「地域の明かりを耕し続ける」活動も行っています。
私たちは次世代に向け、技術力はもちろん、人財共育によって人間力を高めることを目指します。また、新しいことに率先して取り組むことで、選ばれる企業であり続けます。この地に基盤を据える企業として、道内・本州での業務拡大を通じ、室蘭の魅力を発信していきたいと考えています。