培ってきた技術を生かし鉄の「ものづくり」を展開
昭和51年の創業以来、金属構造物の設計、製造を続けてきました。当社が製造しているのは、主に製鉄メーカーや食品メーカーなどの工場で使われる設備や機械類です。金属のことを知り尽くした技術者たちが、鉄を曲げたり、切ったり、溶接したりして、クオリティーの高い製品を作り上げています。当社製品のほとんどは特注品で、かつ難易度の高い大型の金属製品であることが多いです。長年培ってきた知識と技術、そして充実した設備を生かし、当社でなければできないようなハイレベルなものづくりを展開しています。近年では一般の方々に当社を知っていただくために、オリジナルデザインの焚き火台や五徳などのアウトドア製品も手掛けています。このほか、ジンギスカンなどに使える多目的鍋を地元の料理人と一緒に開発しました。使い手のこだわりが詰まった鍋は、その料理人の飲食店で実際に使用されています。評判は上々です。
高難易度な要求に挑み続けた45年
おかげさまで、当社は今年、設立から45年目となります。振り返ると、この44年は挑戦の連続だったように思います。父が創業した頃は、自宅の横にあった小屋でストーブの修理などを行っていました。従業員が増えたことで、作業場を今の場所に移し、それからしばらくは建築物に使われる手すりなどの化粧金物をメインに製造していました。大手メーカーの既製品が流通してきたことで、先代は製缶加工に事業をシフトしました。これが今から35年ほど前のことで、現在の当社の基礎はこの頃にできあがったといえるでしょう。大企業と直接取引できる機会に恵まれるようになってから、当社は少しずつ変化してきました。取引先が求める高い要求に応えるために、アイデアを提案したり、技術を磨いたり……。そういった積み重ねが評判を呼び、業界での認知度は上がっていきました。技術力が高まったと実感したのは、ある製鉄メーカーのコークス炉設備に関する特殊装置の製造を成し遂げたときのこと。このプロジェクトで製鉄メーカーは、生産のための科学技術として優れた業績を表彰する「大河内賞」を受賞。当社も、メーカーはもちろん業界全体から、より一層の信頼を得ることができました。たくさんの取引先から仕事をいただく中で大切にしてきたことは、「品質を重視したものづくり」です。顧客に満足いただける製品を生み出すことに、力を尽くしてきたこれまでだったと感じています。
さらなる挑戦のために人材の獲得を目指す
近年は製造コストの削減のために、新興国で製缶加工を行う企業が増えています。昔と比べると外国製の鉄鋼製品のクオリティーは上がっていて、技術力の向上が伺えます。そのような中で、当社は積み重ねてきた知識と技術を生かし、当社だからこそできる高難易度の製品の製造に、これからも挑戦を続けていかなければなりません。挑戦をやめないためには、技術者の数が重要になってきます。現在、従業員数は10名で、20代〜60代の人材が働いています。当社では、6年ほど前に溶接ロボットを導入しました。一部作業の機械化を進めることで、現場の作業効率と生産性が向上しています。昨年あたりから、室蘭市内の鉄鋼メーカーでは外国人技能実習生を受け入れる動きが進んでいて、当社でも受け入れを視野に入れて考えています。私は子どもの頃から工作が好きで、よくプラモデルを作って遊んでいました。これが自分の仕事の原点だと思います。ものづくりが好きという若い力を取り入れ、さらに高品質な製品づくりに挑んでいきたいと思っています。