見えない部分にこそ宿る技
建築の基盤を担う型枠メーカー
当社は2000年の創業以来、コンクリート製品を成型するための「型枠」づくりに取り組んできました。完成後には見えなくなる部分ですが、建物の最終的な形を左右する重要な工程であり、精度がそのまま品質につながります。GRC・PC製品を中心に、鋼製・木製・樹脂製など多様な素材に対応し、建築の幅広いニーズに応えてきました。また、GRC・GRG製品の製造やレーザー加工、製缶品の製作など関連領域にも事業を広げています。その中でも当社が特に強みとしてきたのが「造形力」です。図面を基に形のないものを立体化していく工程には高度な技術が求められますが、複雑な形状や意匠性の高いデザインにも柔軟に対応し、設計士の発想を形にしてきました。これまでに歌舞伎座、渋谷駅(東急東横線)、名古屋科学館など、多くの著名な建築物の型枠製作にも携わっています。香川県内には現在5つの工場を構え、自動ガス切断機やレーザー加工機、各種プレス機器など多彩な設備を整えています。大型製缶品や特殊加工にも対応できる体制を築き、創業地・香川のものづくり基盤を今も大切に育てています。
二拠点体制で広がる新たな挑戦と
未来へのパートナーシップ
香川で培ってきた技術と経験を武器に、当社は2021年に大きな転機を迎えました。長年の技術力が評価され、阪和興業と千代田テクノルとの連携が始まり、これを機に本社を福島県いわき市へ移転。原子力関連廃棄物の収納容器製造という全く新しい分野に挑戦する体制が整いました。福島本社では原子力関連事業を中心に展開し、一方で香川の拠点は「四国支店」として従来の型枠製造を継続。さらに近年は半導体設備や建造物の付帯設備に関わる金属加工など、新しい領域にも力を入れています。これらは当社の「ワンストップの製造体制」と「高い技術力」を最大限に生かせる分野であり、今後の大きな成長が期待できる事業です。この連携は大手の傘下に入る形ではなく、当社のものづくりを中心に据えながら、大手企業の事業を支えていく独自のパートナーシップです。互いの強みを掛け合わせ、高度な品質が求められる領域にも挑戦しやすい環境が整いました。福島移転後は、地元企業や関係者との信頼関係づくりにも力を注ぎ、「一緒に頑張ろう」という声をいただく場面も増えています。型枠づくりで磨いた技術を新たな分野に応用することは簡単ではありませんが、だからこそ挑戦することに大きな価値があります。福島と香川、2つの拠点を生かし、今後も社員全員で技術力を高めながら、確かな地位を築いていきたいと考えています。
試練の1年を乗り越えて気づいた
改善課題と強化すべき部分
2025年は、当社にとって厳しい一年になりました。各地の大型案件が着工したものの、当初の工事は地下や基礎が中心で、私たちの出番である「建物が地上に立ち上がる段階」にはまだ届きません。そのため型枠の発注が動きにくく、どうしても空白が生まれる時期でした。大型案件が少ない分、まとまった売上を確保するには小さな案件を数多く受ける必要がありました。しかし大型案件1件と小さな案件10件としても業務の手間や負荷は同じで、複数の案件を同時に進めるために、設計管理や書類対応などはむしろ増える一方。工場は比較的落ち着いていた半面、営業・設計・経理といった管理部門は常に慌ただしく、負荷の大きさを改めて痛感しました。今後に向けて管理部門の強化と人材育成は欠かせないと考えています。さらに、私自身も不慮の事故で長期離脱を余儀なくされました。重傷で現場に立てない期間が続く中、福島本社のリーダーが孤軍奮闘して会社を支えてくれ、とても心強く感じました。それと同時に、次世代のリーダー育成の必要性を強く認識する出来事でもありました。現在は怪我も回復して仕事に復帰しています。そうした困難や課題を乗り越え、2026年に向けて当社を取り巻く状況は明るくなっています。北海道や関西の大型案件がいよいよ本格的に動き始め、発注の見込みも具体化しつつあります。現場の稼働率も確実に上向いていく見通しです。この業界はどうしても工事の進捗具合に左右されがちで、多少のアップダウンが避けられません。それでも、2025年ほどのダウンは創業以来でも数えるほどで、逆にこの不遇の時期から学べたことは非常に意義あるものだったと感じています。今は不安も払拭され、2026年へ向けた準備を着実に進めています。管理部門の強化、人材採用、リーダー育成、そして福島と香川の2拠点体制の活用。こうした取り組みをさらに加速しながら、これから再び大きく飛躍したいと考えています。
文系・理系問わず意欲ある人を歓迎!
ものづくりの扉を誰にでも開放
当社がこれからも進化し続けるためには、社員一人ひとりの成長が欠かせません。技術力を磨くだけでなく、設計からコスト管理、顧客対応まで一連の工程を任せられる人材の育成にも力を入れています。そのためにも、新しい人材の採用は重要なテーマです。創業以来、私たちは「まずはやってみよう」というチャレンジ精神を大切にしてきました。理系・文系よりも、ものづくりへの興味や意欲を重視しています。昨年入社した音大卒の社員はその象徴的な例で、未経験からCAD設計に挑戦し、参考書を1冊買って独学でスキルを習得。半年ほどで3D設計も扱えるようになり、今ではお客様からの信頼も厚い、当社にとって欠かせない存在に成長しています。「畑違いでも挑戦できる」ことを体現してくれました。また、働きやすい環境づくりにも力を入れています。例えば工場内以外では服装は自由で、堅苦しい雰囲気はありません。最新機器・ソフトの積極的な導入による仕事の効率化・高精度化と集中できる環境整備のほか、誰でも意見を言いやすい風土づくりなど、社員が安心して働ける会社であることを大切にしています。業界未経験でもかまいません。「自分は文系だから」「ものづくりは専門性が高そう」といった理由であきらめてしまう必要は全くありません。興味があれば、ぜひ遠慮なく当社の扉を叩いてもらいたい。若い皆さんのエネルギーと柔軟な発想を歓迎し、一緒に次の時代を切り拓いていけることを楽しみにしています。