シビアなコスト削減で多品種少量生産を実現
弊社は菓子メーカーと菓子卸を手がける菓子のメーカーベンダーです。菓子卸業界はコンビニエンスストアの登場や町の菓子店が大手商社に吸収されるといった歴史が続き、淘汰されていきました。ここ20年で90%以上の周辺菓子卸が倒産、または廃業を余儀なくされています。弊社のような中小企業と大手商社に吸収された企業の二極化。立ちいかなくなった卸は変化を恐れ、トライアンドエラーを繰り返しませんでした。そんな中、弊社は創業者の「変化に挑戦しうる人たれ」という言葉を大事にし、常にトライを繰り返し、行き着いた発想によって生き残ることができたのです。原材料や人件費が高騰している昨今、中小企業である弊社が利益をあげている理由は「多品種少量生産」を行っているからでしょう。業界では2,000〜2,500品種の取り扱いの数が平均値ですが、弊社では4,000品種以上を倉庫で取り扱っています。また、工場では毎日違う製品を作るため、その都度製造ラインを清掃しなければならずコストが高騰。しかし、弊社は独自の物流ルートを駆使し物流の責任者が人件費や物流費などのデータを細かく分析するなどして、シビアなコスト削減を実施しました。効率が悪く大手がやらないことだと思いますが、このような工夫により自社ブランドとして各取引先のニーズに応える商品を次々に卸すことが可能になりました。大手がやらない商品開発や流通を展開し、安定して事業を継続させていくというビジネスにやりがいを感じています。
逆転の発想で他社と差別化を図る
また、弊社では90日前後という賞味期限の短い商品も多く取り扱っています。当然のことながら、製造日や賞味期限といった品質に関わるものは管理を徹底しなければなりません。コストも手間もかかります。コストや手間を理由に同業他社がやらない商品をあえて弊社は取り扱います。逆転の発想により、熾烈な価格競争に加わることは少ないです。差別化できる商品を卸すことができるのも弊社の強みです。同業他社が敬遠する商品を扱う分、品質管理や製造ライン清掃は特に徹底。クリーンルームを備えた東北工場を完備するなど、体制強化に努めています。
創業者の言葉を胸に挑戦と成長を続ける
創業以来、弊社が大切にしてきた「変化に挑戦しうる人たれ」という言葉の通り、社員には常に「サムシングニュー」を求めて欲しいと思います。これまで同様に、一人ひとりがワクワクしながらアイデアを持ち寄り、新しいものを生み出す会社であり続けたい。大手にはない自由な発想で仕事ができる環境が整っていますので、チャレンジ精神がある人にはぴったりの職場です。私が経営において大切にしていることは、従業員を大事にする姿勢。残業を少なくし、年に3回賞与が支給できるように心がけています。業績は好調で、今年は全従業員に決算ボーナスも支給。持株制度や社員、パートに関わらず5大疾病を患った際の見舞金の用意など、手厚い福利厚生を用意しました。有給消化は当たり前に取得できる環境に。従業員の頑張りに少しでも還元できるように取り組んでいます。また、子ども食堂への自社製品提供や美術館の無い杉並区に自社外壁をアートの場として提供するなど、社内のみならず地元貢献にも積極的に参加しています。今後も常識にとらわれず、様々なことにトライしていきたいと考えています。