“組織力”で事業を牽引するフェーズへ
父は元々銀行員でしたが定年前に警備会社へ出向をしたのがきっかけで、55歳の定年を期に出向時のノウハウを基に、警備業と警備に付随する事業を展開する株式会社ゼンコーを設立しました。当初は20人前後の少人数でスタートしましたが、10年後には関東に10支社を構えるまでに成長。2012年に父が引退したことを受け、翌年から私が代表取締役社長に就任しました。就任時に最初に感じたことは、将来の成長に関する不安でした。具体的にはお取引先の業種において、当社の体制にさらにマッチする先があるはずだ、との発想で活動を始めました。その中で、銀行員時代から勢いを感じていたハウスメーカーに活路を見出しました。施策の実行には思いっきりも必要との観点から、1年半という短期間でお取引先の業種を大きく変え、今後の成長に対する基盤作りを行いました。現在もハウスメーカーからの売上が基盤となっており、当社の成長を支える柱となっています。私が代表者になってからの10年間は、私自身が経営判断し会社を牽引、事業拡大することがやりがいでしたが、これからは組織力で事業を牽引していくための仕組みを作っていく予定です。そのために今期は執行役員を3名増やし、権限移譲をするための組織づくりを進めております。
警備業務に関わる付加価値を提供
当社は警備会社ですが警備そのものだけではなく、ゼンコーグループとして安全・安心に関わるソリューションを提供しています。警備業務だけでなく、その他の周辺業務も展開することにより、「差別化」を伴った幅広いソリューションを提供することが可能になりました。「差別化」されたサービスを付加価値として提供することは、「企画段階から参画ができる警備会社」として、お客さまのニーズに応えることにも繋がり、当社の経営コンセプトの大きな柱にもなっております。もうひとつの当社の特徴は、私をはじめ経営陣に銀行出身者が多いこと。銀行員時代は様々な業態業種の法人と接してきました。その経験を生かした判断力や情報収集力があります。元バンカーの経営感覚と警備会社の現場力という強みを融合させたものが、当社のストロングポイントではないでしょうか。コロナ禍が収束しつつある中、各地で開催されるイベントも増えてきました。現在では音楽ライブやアイドルの握手会のほか、大型施設の施設警備などの受注も増加傾向。より一層の事業拡大を見込んでいます。
求めるものは相手を想う気持ち
今後も更なる「差別化」を進め、お客さまに高い付加価値を提供するために女性の採用率アップや、障がい者への警備対策を実施しています。警備業で活躍している若い女性は多くありません。しかし、手荷物検査やボディチェックの際、女性スタッフの必要性を感じることも。女性だからこそ活躍できる場が警備事業には多くあります。また、障がい者が参加するイベントでは、障がいを持つ人にとって安全で安心できる体制が必要不可欠です。当社には車いすの警備員がおり、彼の見地は障がい者への理解を深めてくれるものになっています。当社が大切にしていることは上司、部下、顧客に限らず、相手が大事にしていることをきちんと考えること。どれだけ素晴らしいサービスがあったとしても、相手を理解していなければやりとりは成り立ちません。人に寄り添うこと、つまりホスピタリティーを持つことはビジネスのみならず人間関係の構築に必要なことです。相手のことを想い、考えられる人を当社は求めています。