世界トップシェアを誇る
「両頭平面研削盤」
日清工業は、研削盤や超仕上げ盤の企画開発から設計、製造、販売を行う工作機械メーカーです。主力商品である「両頭平面研削盤」は、2枚の円盤状の砥石を回転させ、その隙間に加工物を入れ、平行な2面を同時に効率よく、高精度に研削加工する機械です。自動車のエンジンやミッション、そしてブレーキディスクなどの部品の精度を高める重要な役割を担っています。創業は1979(昭和54)年。研削・研磨仕上げ加工機の国産化からスタートしました。高性能なモノづくりにこだわり、「両面を同時研削する」というニッチな市場を開拓、変革と挑戦を繰り返してきました。国内の拠点は富山のほか大阪、愛知、埼玉に営業所があります。2022(令和4)年にアメリカのミシガン州に現地法人の「NisseiUSA」を設立しました。中国・上海には営業所、そしてドイツ、韓国、インド、メキシコにはメンテナンスもなども任せられる代理店があります。両頭平面研削盤は寿命が長い傾向があり、メンテナンスも重要な仕事の一つです。当社の工作機械は国内と海外28ヵ国に輸出しており、両頭平面研削盤においては世界トップのシェアを有しています。近年、海外出荷台数が国内を上回り、60~80%が海外への出荷となっています。2025年には、日刊工業新聞社主催の「第55回機械工業デザイン賞IDEA」で、「立型両頭平面研削盤(VP3-400RW)」が、審査委員会特別賞を受賞しました。製品の機能や外観だけではなく、市場性や社会性、安全性など、さまざまな面から総合的な審査が行われるデザイン賞ですが、当社製品は、長い間培ってきた技術、機能や使いやすさなどを評価していただきました。
海外の市場で求められる
日清工業の技術
海外においては、2つの大きなプロジェクトが動いています。一つ目は、EUにおける自動車の環境規制『Euro7』への対応に関連するプロジェクトです。ブレーキ時に発生するディスクの摩耗粉を抑えるため、硬質材料のコーティングを施したブレーキディスクに切り替えが必要となってきました。このディスク表面を精密に研削するための機械として、当社の製品が採用されました。すでに30台以上を出荷しております(2025年夏時点)。ただし、世界的な経済の落ち込みもあり、規制の施行開始は2028年へと後ろ倒しになっています。もう一つは、マグネットの研削加工に関するプロジェクトです。アメリカは半導体をはじめとする重要製品を中国に依存するリスクを避けるため、国内でのサプライチェーン強化を打ち出しました。その中に、EV自動車の駆動モーターに不可欠なネオジウムマグネットも含まれております。このマグネットの生産を担うことになったドイツのマグネットメーカーが米国に工場を建設し、その研削加工に当社の機械が採用されたのです。すでに35台を出荷し、現地工場への設置は完了しています。そしてこの秋に調整、立上げ作業が行われる予定となっております。当社は、ディスクブレーキとマグネットのシェアが高く、この2つはEV時代でも無くなりません。さらに自動車以外でも、スウェーデンにある世界最大の切削工具メーカーから、当社の機械剛性の高さを評価していただきそれをきっかけに、刃先交換式の切削工具のインサートチップ専用加工機を開発しました。
開発部門を立ち上げ
次世代につながる製品を
当社は創業以来、『世界一の両頭平面研削盤メーカー』を目指してきました。オリジナルの技術で両頭平面研削盤を作っている企業はおそらく世界で10社に満たないニッチな業界の中、当社がトップであるという評価を多くいただいています。このポジションにいると、お客さまからさまざまな相談を受けます。近年は国内外の見本市に出展し、そこで声をかけていただき、開発案件をいただくことも増えました。またエンジンなど従来の部品の仕事が減少していることもあり、将来のためにも専任の開発部門が必要だと考えていました。そこで技術部門内に、2025(令和7)年8月、開発部を立ち上げました。お客さまからのテスト依頼や新しい加工方法の開発はもちろん、開発案件に対応する為の機械や装置の設計、そして既存機の改善設計を進めていきます。兼任も含め10名にてスタートします。開発部だけではなく、どの部署にも言えることですが、「井の中の蛙」にならないよう、社員が外に出て勉強をすることは大事だと考えています。見本市なども、人数を制限せず希望する社員はどんどん参加させています。経営者として、私は社員とのコミュニケーションを大切に、普段からなるべく現場を回り、声をかけることを心がけています。会社としても、社員一人ひとりが能力や個性を発揮できる環境づくりを重視しています。求める人材は、積極的に物事に取り組んでくれる方。機械やモノづくりが好きな方、また海外展開に力を入れていますから、海外事業に興味のある方も歓迎です。大きな転換期を迎えている自動車産業を含め、今後も世界の経済や時代の変化を注視しながら、次世代につなげていけるようなモノづくりに取り組んでいきたいと思います。