当たり前のことを
当たり前に
弊社は消防用設備の施工やメンテナンスを担う企業として1976年に創業しました。群馬県内の工場や病院、学校といった大規模施設が事業の対象。火災の発生を感知し警報装置で知らせる警報設備、水や消火剤を用いて火を消し止める消火設備、火災から逃れるための避難設備を消防法に則って、施工維持管理していくことが私たちの責務です。不備があれば大問題、正常に作動して当然なのが消防設備。使いやすく、常に問題なく機能するように消防法に基づき設計し、不具合が出ないよう電線などの端末処理やネジ締めも丁寧に施工するのが私たちのモットーです。「カンボウでよかった」と安心していただくためには、当たり前のことを当たり前に、誠実に仕事していく必要があると、私たちは考えています。
先輩の言葉をきっかけに
経営者として目覚める
入社した頃は「先輩の背中を見て覚えなきゃいけない」「なかなか一人前として認めない」という職人気質が社内で幅を効かせていました。社長の息子、つまり将来の社長候補である私は、古参の社員から煙たがられたものです。こちらもネガティブな感情が先走り、愚痴ばかりこぼしていた時期がありましたが、ある時、尊敬する先輩から「おまえ格好悪いな」と言われたんです。殴られたような衝撃に呆然としていると「一緒に仕事をしている仲間に感謝できない奴は格好が悪い」と先輩は言葉を繋ぎました。その出来事は経営者としての自分を見つめ直す転機になりました。
新しい経営理念は
「カンボウでよかった」
私たちの仕事は一般的に建設業に分類されます。しかし、お客様へ実際に提供しているのは防災を通じた安心感。その価値の本質を短くわかりやすいフレーズに表現することは、私が経営に関わりだした頃から意識していた最重要課題です。定期的な社員面談で、ビジョンとして「安心創出企業」という言葉を伝えてみたのですが、経営理念はまだ良い言葉で表現できずにいました。“安心”を日常の言葉で表現したいと2年間悩みました。ある時、車を運転中にヒヤリ・ハットを経験し、思わず「よかった」と口にしていました。「これだ!」と思い生まれた経営理念が「カンボウでよかった」というシンプルな言葉です。経営理念がスタッフの本当の行動原理として浸透するのは、トラブルに直面したときです。まず、トラブルの状況報告を責めることなく黙って聞き、「正直に報告してくれてありがとう」と感謝の言葉を伝えることから始めました。一緒に最良の解決策を考えるスタンスは社員を成長へ導くきっかけになりました。「お客さんに『カンボウでよかった』と思ってもらうためにはどうすればいいだろう」と社員と真正面から向き合うことは、お客様からの信頼を獲得するうえでも有効でした。私が経営を引き継いだときの財務状況は、父の地道な努力もあって健全そのもの。そこで、労働環境の改善に積極的に取り組むことができました。また、月次決算の公表などできるだけ会社のことをオープンにし、自分たちの成果を数字で感じてもらうようにしました。結果として、増収増益を続け昨年から賞与を年3回に増やす等、スタッフの待遇改善につながりました。今後、5年で社員数を25名から50名と倍増させたいと考えているのも、個々の負担を軽減し社員からも「カンボウでよかった」と思ってもらえる会社になっていきたいから。お客様だけでなく、一緒に働く仲間とその家族も大切にする企業として成長していきたいと考えています。