防災業務の需要増加で
今年の業績も好調
弊社の主な事業は、消防用設備の設計、施工及びそのメンテナンスです。例えば新しく建物造る際、建物の用途や面積に応じて消防用設備を設置しなければなりません。私たちは法律に基づき、自動火災報知設備や消火器、消火栓設備などの消防用設備の設計、施工を行います。特に危険物を取扱う工場などでは消火設備が必要な場合が多く、油火災に強い泡消火設備や、消火剤による汚損が少ない不活性ガス消火設備などその種類は様々です。専門的な知識や技術が求められますが、常にお客様の建物、設備に最適なものを提案させていただいています。近年は取引企業が好調であること、また防災意識の高まりに伴って弊社への需要が増している状況です。特に今期は順調で、業績が期待できます。かねてから社員数を倍の50人にするという目標を掲げていましたが、今年は新卒、中途合わせて6人を新たに採用しました。来年もすでに1人内定が決まっており増員計画も順調です。
安心の直取引
もともと弊社は業界では後発でした。そのため創業時は協力業者もほとんどいない状態でしたが「自分たちでなんとかする」と、地道に丁寧にお客様に向き合うことで販路を開拓していけたのだと思います。消防設備業界は建設業では下流に位置し、通常お客さまと私たちの間には様々な会社が介在します。その為、請負った仕事を真面目にしても、やりくりが上手に出来ないと利益はほぼ残りません。また、建物の所有者であるエンドユーザーのお客様との意思疎通も上手く取れずスムースなやり取りが出来ないことも多いです。しかし、先代社長の頃よりお客様との直取引を重視した経営方針の継続によって、安定的な利益確保はもちろんのこと、お客様からの声に迅速に対応することができ、それがお客様の安心に直結していると感じています。弊社は1976年に設立し、今年で48年目を迎えますが赤字は創立した年の他は数えるほどです。ほぼ黒字経営でここまで来ました。近年は業務の効率化のためDXを積極的に取り入れています。例えば社外でも工程管理、顧客情報の共有、見積から作業報告書などの作成、請求処理などの一連の作業を1つのソフトで管理が出来るソフトウェアを導入したことで情報共有の量やスピードの改善、移動時間の活用など大幅に業務の効率化が図れました。それは業績の向上に繋がったと思っています。
お客様も社員も
「カンボウでよかった」
消防用設備はメーカー毎に特色はあれども基本的な性能はほぼ同等なうえ、使用機会のあまりない設備のため業務を依頼するお客様は価格を気にされます。性能がほぼ同じならどの会社に仕事を頼んでも一緒だと思われがちです。すると消防設備業者による価格の下げ合いが始まります。自ら自分の価値を安売りするのです。私は当初より弊社はサービス業であると言い続けています。サービス業なので社員一人ひとりが提供するすべてが私たちを選んでいただく根拠になり、また社員自身が価値ある存在であるべきです。したがって、私は決してその社員の価値を安売りしません。お客様に安心を提供するのは人です。安心を提供するにはまず社員が会社に安心を感じなければなりません。そこで見直したのが給与体系と福利厚生です。実施したことは非常に単純です。例えば給与体系では賞与の回数を夏・冬・決算の3回にしました。また、決算賞与は源資の計算方法を伝えており、月次決算内でその数字も公表しているのでモチベーションになります。福利厚生では社員同士がお互いを知ることが出来るように様々な研修、懇親会、ゲームなどを実施した結果、新入社員の定着率もよくなりました。弊社の経営理念は「カンボウでよかった」。お客様だけでなく、社員とその家族、取引先にもそう思ってもらえるよう成長し続けたいと思っています。