株式会社湯建工務店

弊社は昭和20年代から東京都の大森・蒲田エリアに密着して建物づくりを展開している工務店です。特に、東京湾に面した大森という土地には海苔の生産者が多くいました。その方々がアパート経営などを始めるようになり、賃貸併用住宅というニーズが拡大。それに伴い、弊社では今もなお新築集合住宅の建設が多くを占めています。昨今では同エリアに点在する工場や倉庫などのリフォーム需要も増加。神社仏閣改修なども手掛けています。「マーケットを拡げず、品質を求める丁寧な地域密着工務店」としてブランディングしてきました。私が掲げているテーマは「湯建工務店と、一緒に。前に向かって」。万が一トラブルがあればすぐに駆け付けられるように、距離感やスピード感を大切にしています。また、常に現場主義を忘れず「地域」と、「そこで暮らす人や事業を営む人」と、「弊社スタッフやパートナー企業」と一緒になって取り組むという経営スタイルです。

湯建工務店は祖父が創業した会社です。以後、祖母と実父が引継ぎ私は4代目となります。幼少期から家業を見ていましたが、心にあったのは「女性が活躍する場がない」ということでした。確かに今でも現場は男性が多いでしょう。工務店の女性経営者は珍しいと言われます。しかし、弊社では女性特有のきめ細かな気配りなどが力になっています。例えばリフォームの打ち合わせでは、施主の奥様が主導になるケースも少なくありません。女性目線に寄り添って提案できるのは大きなアドバンテージとなります。もちろん、弊社では女性の採用に注力。リフォーム営業、事務、不動産賃貸業務など多岐に渡る部署で活躍しており、現場監督を志す女性社員もいますし管理職となっている女性社員もいます。私は前職時代から建築に興味を持ち、約10年かけて二級建築士と一級建築士の資格を取得しました。これにより、提案力が大きく向上しました。女性資格者ということで苦労も多かった時代でしたが、自分自身がロールモデルになることで「建築業界こそ女性が活躍できる」ということを体現していきたいと思います。

現在、平均年齢は30代半ばで非常に若い会社となっています。若手社員の人材育成には積極的。弊社は大きく分けて営業部と工事部に分かれていますが、あえてオフラインの会議を増やしています。２週間に1度、営業部では工事の進捗確認やスキルアップのための研修を実施。工事部も工程確認だけでなく、技術を学ぶ機会があります。若手社員のモチベーションの一つは資格取得。弊社では資格を取得するために、長期休みを取得できる制度を設けています。スキルアップ教育制度を充実させることで、若手が育ち、会社の成長へとつなげています。
IT化による職場環境の改善も推進。現場監督にタブレットを支給し、現場で完結できる体制を整えました。今後も建設の現場ではIT化が必要になってくるでしょう。業務効率化を図るために、AIやシステムの導入にはしっかり投資していくつもりです。とはいえ、IT化だけを進めても組織力は向上しません。ITを活用する“人材”が協力してこそ強い組織になります。女性採用の強化、若手社員の育成に力を入れ、これからも地域に根付いて活動していきます。