株式会社近藤組

弊社は、創業85年を迎えた建設会社です。海岸や港湾の土木工事と、公共施設の新築や増築を手がける建築工事、この二つが長年弊社の二大事業となっています。これまでには、信濃川の氾濫から地域を守るための分水路や、上越新幹線、北陸自動車道などの大型土木工事に関わるほか、小・中学校の新築や新潟市歴史博物館の復元工事など、人々の暮らしに密着した社会インフラや生活基盤に関わらせていただきました。世界的な建築家の安藤忠雄氏が設計した新潟市立葛塚中学校の施工（2004年）は、弊社の誇りでもあります。
そのほかに、自社物件のリノベーションや不動産投資、保険代理店など複数の事業があります。2023年にはM＆Aにより、念願の家具事業がスタートしました。これにより、自社物件をトータルコーディネートしたリノベーション物件の販売や、海外に向けた日本の家具販売ができるようになり、大きく事業の幅が広がりました。また、売上のアップダウンが激しい建設業に対し、安定した事業が弊社の新たな柱として加わります。経営の安定化を図りながら、優れたデザイン製品を作る生産技術や体制、職人が揃い、新しい挑戦が広がることに、とてもワクワクしています。

弊社の目指す企業像は「ホワイト建設企業のリーディングカンパニー」です。建設業の仕事といえば、長時間労働のイメージもまだ多いですが、弊社ではデジタルツールの積極活用などの業務改善や創意工夫を進めていくことで、残業時間の大幅な削減や生産性向上も実現しております。その取り組みが認められ、2024年には国土交通省 北陸地方整備局より優良工事表彰（局長表彰）も受けることができました。
建設業界では、「現在の国土インフラをメンテナンスするだけでも、将来50万人もの現場作業員が不足する」とも言われています。宝である社員一人ひとりが、笑顔で長く働けることこそ、私が経営において最も大切にしていることです。少しでも社員が働きやすくなるように、いま目の前で働く社員の声を聞きながら福利厚生においても改善を進めております。資格取得や自己学習の支援はもちろん、誕生日休暇やスポーツクラブの自由利用といったリフレッシュタイムの推奨、保育園などに合わせた始業時間の適用、男性の育児休暇取得など、働きやすい会社のあり方を常に模索し、制度化しています。

私は弊社の5代目社長ですが、初の非同族社長となります。「風通し良く、社員の声をよく聞いて、笑顔を第一にする」という私の経営軸は、入社した当時の2代目社長の影響が色濃くあります。例えば、当時の私は遠方からの通勤で交通費が規定上限からオーバーしており、一か八か相談したら、すぐ翌月から制度を変えてくれたのです。「こんな若造の声もちゃんと聞いてくれるんだ」という経験は、チームの一員として大切にしてもらえている嬉しさになり、もっと頑張ろうという気持ちにさせてくれた経験は、若手の意見までしっかり聞くために開く、非管理職の社員会議に繋がっています。あの日の私ほど勇気を出さなくても、社員が自由に意見を言える環境を心がけています。
また、私が今も全ての現場に足を運ぶ理由は、きちんと社員の頑張りを評価に繋げたいからです。「気にかけてくれている」と、社員も感じてくれていると嬉しいです。
お客様の笑顔はもちろんですが、社員が笑顔で、仕事がしやすくあって欲しいと思います。そのためには、我慢したり、謝ったり、嫌われることも社長の仕事です。たとえ失敗しても私が責任をとるので、社員には、良い仕事にしようとする気持ちを大切に、笑顔でいてもらいたいですね。