東京燃料林産株式会社

人々の生活を支えるエネルギー源といえば、今でこそ電気・ガスが当たり前ですが、80年前は薪（まき）や石炭・木炭が一般的でした。第二次世界大戦中の統制経済下では各地の薪炭商が一つの組合にまとまり、供給の責任を担うことになりました。そのとき発足した東京都燃料配給統制組合が当社の前身です。戦後の燃料革命によって、薪炭から電気・ガス・ガソリンへとエネルギー源は大きく変わりますが、こうした時代の変化に応じて、当社も家庭向けLPガス（プロパンガス）の供給と燃焼器具の販売を手がけるようになり、さらに住宅設備全般まで取扱い商品の幅を広げてきました。また、マイカーの普及に応じて、SS（ガソリンスタンド）の経営にも乗り出し、現在は池袋、昭島の都内2つの給油所でガソリン・軽油・灯油の販売から、カーリース・レンタカー・車検・車両整備・各種保険まで幅広く扱っています。
一方で、創業時から取り扱っている燃料も健在です。近年のキャンプブームでは、木炭や薪の良さがあらためて注目されています。社名にある「林産」はまさに森林から生まれる「フォレスト・エネルギー」が当社の原点の一つであることを示しています。

人々のライフラインを支える民生用エネルギー商社として、私たちが最も大切にしているのはその管理・運搬・使用にあたっての安全安心です。燃料はどのような種類であれ使い方によっては極めて危険なもの。エネルギーを扱うプロフェッショナルであるためには、まず安全が全てに優先されます。当社では、新入社員には必ずSSでの研修を課しているほか、事務部門を含め全員が危険物取扱者の資格を持つことを義務づけています。
また、エネルギーの安定供給も当社の重要な使命。当社には石油・ガスの元売り事業者とユーザーとの間に立って、つねに適正な量・質・価格の維持に努めるミッションがあります。
首都圏直下型地震のリスクが言われる今、大規模災害時にガスやガソリンの供給が断たれることがあってはなりません。本社内には首都圏の広域マップを貼りだし、配送経路などライフラインの監視に努めると共に、各供給拠点のBCP（事業継続計画）のブラッシュアップに日々努めています。

「仕事は厳しく楽しく」が私のモットー。創業80年の老舗企業とはいえ、昔ながらの事業を昔ながらのスタイルで継承するだけでは、新しい発想や創造力は生まれません。そうでなくとも、時代は脱炭素、クリーンエネルギーの方向へ大きく舵を切っています。新しい時代にエネルギー商社が生き残るためには、現場力と創造力に根づいた不断の事業革新が欠かせません。社内に10以上ある各種委員会での活動は時代の変化に柔軟に対応できる社員が育つ土壌にもなっています。
日々の業務を楽しく続けられるよう、社内ではフットサルや映画鑑賞などこれも10以上のサークルが自主的に活動しています。毎年のように開催される社員バーベキュー大会では炭の使い方も一から学びます。その経験も活かして、東京・神田錦町の当社本社１階にあるショールームでは備長炭をはじめとする国産木炭を産地ごとの特長と共に紹介するようになりました。