地域産業を支える基盤として
未来を見据えた経営戦略を実践
当社は大型アルミ船の設計から建造や修繕まで、造船工程の全てをワンストップで請け負う道内唯一の会社です。木製の時代からFRP(繊維強化プラスチック)、そして近年は省エネや耐久性に優れたアルミニウム(以下アルミ)船へ、時代に合わせて利用者のニーズに応える造船業を続けてきました。アルミ船のメリットを漁業者に理解してもらうため、造船するだけではなく何かあった時にはすぐに駆け付け、安心して操業できる体制も作りました。これは設計から全て請け負っているからできる当社の強み。漁業者との信頼関係も経営面で大切にしている点のひとつです。またデジタル化など社内イノベーションを積極的に推進し、90%以上の屋内作業を実現しています。魚や荷物だけではなく人の生活の場も運ぶ船を作ることは、エンジン、電気系統、住環境など多くの職人や業者が関わるため、地域産業の基盤となる職業です。特に釧路根室地域では年々造船所が減少し、漁業への影響も懸念されています。漁業や地域産業を継続させるために造船業が担うものは大きく、責任感とやりがいを感じられる仕事です。関連企業と協力しながら、地域の未来に向けて船を作ることは、夢もありとても楽しい現場です。
資格取得補助やシェアハウス
手厚い福利厚生で社員を支援
造船業はパソコンでの設計や工場での組立、建造、塗装などの専門職が担い、それぞれ資格取得が必要な場合は、試験などにかかる費用を当社が100%補助しています。社内には若い職人も多く、厚岸町内に建てたシェアハウスで生活する社員もいます。シェアハウスは全室冷暖房完備、冷蔵庫と洗濯機を2台ずつ配備し、リビングやキッチンの共有スペースでは、若い社員同士でコミュニケーションをとっているようです。同世代の先輩と同じ家で暮らしながら自分のスペースも確保できますから、特に高卒で初めての一人暮らしをするなら安心だと思います。今後もう1棟建てようと計画中です。また社員食堂も当社の自慢のひとつ。厚岸町で水揚げされた新鮮な魚介類を使ったランチは、他では食べられないと思いますよ。これが1食300円です。職人は体力も使いますし、いい食事により心も体も健康な状態で仕事をしてもらいたいとの思いから提供しています。また関係する地元漁業者から魚介類をいただくことも多く食堂で使いきれない場合は社員に持ち帰りしてもらうこともあります。贅沢な食生活は厚岸町の造船所ならではの恩恵かもしれませんね。
巨大な船を作り上げる
造船の醍醐味を伝えていきたい
当社の大きな役割とは漁業を始めとする地域産業を支えること。新たに入社する人材にも、一緒に地域貢献を考えてもらえたら嬉しいです。またひと言で船と言っても全てオーダーメイドのため、1隻として同じ船はありません。マグロやホタテ漁、底引き網や刺し網、大きさも29トンや49トン、100トン以上など様々。自分が手がけた小さな部品でも大きな漁船の姿になると達成感を得られ飽きることはないと思います。これが造船業の醍醐味であり、若い人に伝えていきたい点です。社内は可能な限り機械化を進めていますが、最終的には人の判断がとても重要です。「物づくりが好き」で、さらに漁船のような巨大な物を作るのが好きな人にはとても向いていると思います。また造船業に携わる職種は多岐にわたり、希望があれば部署異動にも柔軟に対応しています。納得して仕事をすることでモチベーションを高く持ち、長く働き続けてもらいたいからです。私自身、子供の頃から先代の下で造船を手伝い、物づくりや新しいアイデアで技術を生み出すことがとても楽しかったので、社員にも自由な発想を生かして働いてもらいたいと思っています。