社長自ら特許を取得
創意工夫で漁業を支援
当社は北海道内で最も早い昭和の頃からアルミ船の造船を手掛け、現在もトップの実績を持っています。現在は道内だけで約7割がアルミ船。船は設計から実寸のフィルム制作、型作り、溶接や電気系統など、多くの技術が凝縮して完成します。その技術が今、継承してくれる人がどんどん減って危機的な状況と言えます。近年の造船業は昔のような厳しい環境での工場仕事ではなく、デジタル・DX化も進み屋内型工場で天候に左右されずに働くことができます。一方でどんなにデジタル化が進んでも、必ず必要となるのが最終的な職人による技術。この技術があるから船の修理や改造も可能となります。ある程度はデジタルで対応しつつ、最後は現場で職人たちの手によって造られていく。そこにはデジタルではできない職人の経験値による様々な発想や工夫が生かされています。だから造船業はおもしろい。私自身、船を見て「こういうのがあったらいいな」と、実際に作ったもので特許を取得したものが9件あります。船尾につけるスラスター、衝撃緩和や速度を維持する構造など。今ではけっこう普及しているんですよ。こうしたソリューションもどんどん進めていきたいと考えています。
女性や外国籍従業員も
多様な人材で物づくりを
農業や漁業などの一次産業は、海外の就労者がいないと成り立たなくなっています。当社でも海外からの職人が3人おり、一昨年建てたシェアハウスに住んでもらっています。シェアハウスの向かいには、新たにコンテナハウスも建てました。根室から来ている従業員も平日はシェアハウスで暮らし、週末は自宅に帰るという新しい働き方を実践中です。今年はネットの求人サイトからイギリス人も入りました。最近は求人サイトから応募する人が増えていますね。今、私が注目しているのは女性溶接工で、実は人気の職種。溶接は黙々とひとりで作業をして他の人も代わることができるので、休みの日や時間を調節しやすい仕事です。女性だって事務仕事には向かないと思う人や、他人とごちゃごちゃ喋るのは面倒くさい人もいるでしょう。そういう人に溶接工は最適な職種で、そこが人気の理由になっているようです。当社でも受け入れ態勢を作っているので、女性で溶接をやってみたい人はぜひ応募してほしいです。
地域の事業継承のため
会社の将来像を模索中
当社の造船技術は北海道だけではなく全国の漁業を支えているので、今後も失くすわけにはいかないもの。ゼロから船を造るため、同じ物づくりでもおもしろい会社だと思います。設計から組み立てや大工、溶接、旋盤加工と部署も多く、同じ会社の中でやりたい仕事を選ぶこともできます。当社の定着率が高いのは、こうした本人の希望による異動もあるからではないかと。また船を造るには機械屋・電気屋など様々な職種の人たちと関わります。今後はこれらを大きなひとつのグループにして、同じ待遇・給料形態・福利厚生などの新しい雇用形態を作っていきたいと考えています。後継者不足で廃業する会社が後を絶たない中、地域経済を守る意味でも、私の世代で複数の企業をまとめて事業を継続させていきたいんです。厚岸町はまだまだそういうことがやりやすいポテンシャルを持っている土地。これは実現したい私の大きな夢のひとつですね。それから新たな仲間には多趣味な私とも一緒に遊んでもらえたら嬉しいです。釣り船もありますし、最近はゴルフのシミュレーションをスタジオに入れようかと考えています。私もギターを弾くので、音楽好きはスタジオでライブをやりましょう。