芦別から欧州、北米に
私たち「滝澤べニヤ」は、1936年に北海道芦別市で創業した、広葉樹ベニヤ単板・合板メーカーです。創業以来、人の手による製造にこだわり、多品種・高品質・少量生産に取り組んできました。現在、ほとんどの合板メーカーが海外から単板を輸入して合板に加工していますが、当社では帯広周辺や道南、青森などから国産の丸太をそのまま仕入れ、「ロータリーレース」によって丸太を回転させながら「かつら剥き」のように薄く切削し単板から生産加工しています。グレードや薄さや厚みといった技術と品質管理、マーケティングによる顧客開拓により国内のほか欧州や北米、オセアニアでもニーズをつかみながら当社独自の成長戦略を歩んできたこと、90年以上芦別の地に足付けて地道に経営してきたことが今、他社にはない強みとなっています。
MoMAやGoogle本社が採用
美しさ、革新性が高い評価
当社に入社して以来、力を入れているのは付加価値の追求です。それまで建具材や加工で使われる木型の製造が主流でしたが、マーケティングに基づいた製品開発を行い販路を川上にシフトしていきました。その中で生み出したのがシラカバやシナといった道産材の合板に、カラフルな再生紙を挟んだ「Paper-Wood(ペーパーウッド)」です。どこをカットしてもストライプの美しい木口(断面)がカラフルに現れるのが特徴です。製造にあたっては北海道のシナ材や未利用材として活用されていなかったシラカバ材と環境負荷の少ない再生紙を使い、板と紙を貼り合わせる接着剤は有害物質を含まない安全なものを使用しています。Paper-Woodを主材料とした合板プロダクトを展開するファクトリーブランド「PLYWOOD laboratory」は国内外で活動するクリエイターやデザイナーとの共創によって北海道産木材のポテンシャルを発信しています。2010年には「グッドデザイン賞」、2012年には世界最大のデザインコンテスト「レッドドットデザイン賞」を受賞するなど札幌オリンピックミュージアムのインテリア、Google本社ではスツールが採用され、ニューヨーク近代美術館(MoMA)ではミュージアムショップのグッズとして販売されているなど、その美しさやデザイン性、革新性が欧州、アメリカを中心に高い評価をいただいています。2025年1月には新ブランド「bosje(ボッシェ)」をリリースしました。オランダ語で「小さな森」を意味するこのブランドは、暮らしに役立つ日用品にペーパーウッド材を使用し、北海道の木材の魅力を広く発信しています。また他業界との連携によって、アップサイクルにも取り組み、廃材などを活用した新しい試みにも取り組み始めています。
「四方良し」の精神で組織づくり
100年企業を目指し理念を実践
創業から90年以上経ちますが、当社のものづくりを支えているのは単に作り手の技術と情熱に他なりません。当社の営業は従来の顧客との継続取引を続けつつ、新たな顧客開拓を展開し、建築設計部門やマーケティング部門、海外へのセールスを進めて、作り手がより豊かになれる会社づくりを進めてきました。2022年には新しい経営理念<四方良し>を提唱。売り手、買い手、環境・社会、作り手の四方に良い会社であり続けるための経営を進めていきたいという想いを込めています。より働きやすい環境づくりのために、若手が中心となって進めてきた人材育成プログラムや、人事評価制度の導入も着実に成果が見え始めてきました。当社のプロダクトや技術をもっと身近に触れてもらいたい、そして製品が作られているロケーションが味わえるようにと思いを込め、隣接する空き家を当社製品を使ってリノベーションした宿泊施設「GOOD WOOD HOUSE Higashikawa」を東川町で始めました。インバウンド利用客が多く手ごたえも上々です。持続可能な社会の実現のために、木工業に携わる会社として環境保護は以前からごく身近で、当たり前のこととして向き合ってきました。山を守り森を育てていくためには、海外から安い木材を仕入れるのではなく、国産の木材を使用し、山を整備して新しい木を植え続けることが必要と考えているからです。私たちはこれからもものづくりを通じて「北海道産の木材の価値を高めること」を続けてまいります。