鷹ノ台ドライビングスクール株式会社 取締役総務部長
小野尾 光平
おのお こうへい
PROFILE
2015年に同社に取締役として入社後、経理、人事・労務、営業などの業務を担当する。姉妹校の五井自動車教習所の取締役を兼任。国家資格のキャリアコンサルタントを取得し、神田外語大学の英米語学科で非常勤講師も務める。愛車はBMW M2。
通訳の道を断念し家業へ大学院卒業後、取締役に
弊社が運営する鷹ノ台ドライビングスクールは、1963年開校の八千代自動車教習所を前身としています。2007年、経営不振に陥っていた同教習所を現社長である私の父が買収したのが始まりです。父は祖父が創業した五井自動車教習所の代表を務める立場で、同年に現名称へ変更し経営改善に臨みました。私の入社は2015年です。もともと通訳に憧れ、大学、大学院とその勉強を重ね、大学院在学中に米国の大手企業から内定を得ていたのですが、学生時代から会社経営にも興味があり家業に入る決意をしました。といっても、現場経験は大学院時代にアルバイトで担当した2年間の経理職のみ。取締役としていきなり家業を託された不安は拭えませんでしたが、私なりの考えで改革に踏み出したのです。まず、経理の視点で徹底的なコスト削減を図り、初年度にわずかながら黒字化を実現しました。2年目は教習指導員(教官)を増やすべく、赤字覚悟で従業員を積極採用しています。指導員育成には1年程度の期間を要し、その間は会計上、売上が見込めないのですが、指導員数の不足によってサービスの低下を招いていたため決断。当時業界ではほぼ前例のない求人広告を出すやり方で一気に人員を増やしました。
大幅値上げでも黒字継続入校者は年々増加を実現
一方で実施したのが教習料金の値上げです。私が入社した当時は千葉県内教習所の平均値より大幅に安く、薄利でした。これを毎年値上げしていったのです。例えば、普通自動車免許の学生・オートマ車を対象とした基本プランの場合、19万8000円から27万8000円までアップしています。単に料金だけを上げたのではなく、併せて、付加価値の提供を考えました。そのひとつが、業界初の試みであるポイント制度の導入です。料金支払い時に楽天、Ponta、WAONの3つのポイントが貯まる、ポイント還元のサービスを開始。また、都心に近い地の利を活かして合宿免許に注力。宿泊施設の増強や食事の充実のためにシェフを雇用し、今では売上の半分を合宿免許事業が占めています。その他、月間20万PVを超えるホームページの集客にも力を入れてきました。こうした取り組みが奏功し、3年目の赤字から黒字への転換以来、黒字を継続中です。直近の売上4億7000万円のうち利益6000万円と、利益率は10%を超えています。入校者数も年々増加し、千葉・東京・神奈川において免許取得者がおススメしたい教習所のナンバー1(大手アンケート調査会社調べ)に輝きました。
指導員試験をバックアップ改革を進める仲間を求む
教習指導員になるには「指定自動車教習所指導員」という国家資格が必要になります。ただ資格なしでも教習所で働くことは可能です。教習所に勤務しながら講習受講と勉強を行い、要件の年齢21歳以上となってから試験を受験すればいいのです。弊社ではそのための万全なサポート体制を整えています。また、教習できる車種、講習が複数あり、それぞれ専門の資格を取得してキャリアアップしています。同時に昇進、昇給を望めるため、やりがいも持てます。今後も外国人向けの運転免許取得サポート事業など、新たな取り組みを計画中。若者の車離れなどを理由に教習所業界を逆風と見がちですが、やり方次第でチャンスは十分あります。業界の常識に捉われず、柔軟な発想ができる人、新規事業に不可欠な語学が堪能な人など、一緒に改革を進めてくれる仲間を求めています。