高精度のプレカット材で
建築現場の工期短縮に貢献
柴産業では木造住宅を建設する際に使用される構造材(柱・梁・土台など)や、ハガラ材(垂木・破風・鼻隠しなど)のプレカット材の製造販売を行っています。プレカット材とは“住宅を建築しやすくするために、あらかじめ工場で切断・加工した木材”のことで、使用することで工期を大幅に短縮できたり、現場で発生する産廃廃棄物を削減できたりと様々なメリットをもたらします。また近年は、外壁の下地となる画材や断熱材をユニット化したパネルの製造販売にも力を入れており、さらなる工期短縮につながると、多くのハウスメーカー様に好評いただいております。当社のプレカットやパネルの製造は、強度の高いエンジニアウッド(集成材)を用いて、最新のCAD/CAMを採用した全自動機械で行っているため、非常に精度の高い製品に仕上がっています。しかし、鉄やコンクリートと違って、“木は生き物”ですので、加工の中でミリ単位の誤差が生じることがあります。その中で重要になるのは、やはり“人間の目”。熟練の技術を持つスタッフがしっかりと検品を行うことで、精密機械以上の精度を担保する。それが、私たち柴産業の技術力であり、強みでもあります。
将来の人材不足を見据え
積極的な海外事業を展開
当社は15年ほど前から海外事業にも積極的に力を入れてまいりました。現在はタイに2つの拠点を置き、現地スタッフも60名を超えました。海外に拠点を置く理由として賃金差によるコストの削減もありますが、本質はそこではありません。年々、日本の若者が減り、人材不足が深刻化する中で、それを解消するための手段として外国人スタッフの採用は必須だと考えているからです。しかし、人材不足は当社だけの問題ではなく、製造業全体の問題。大手メーカーが本腰を入れて対策すれば、中小零細企業は太刀打ちできません。そのため当社は問題をしっかりと見据えて、何年も前から様々な策を講じてきました。タイ人の技能実習生の日本への受け入れをサポートする「関東ドゥエリング事業協同組合」や、タイ現地で日本語の語学学校を運営する「株式会社ターミナル・ジャパン」の設立もその一環です。現地で直接採用を行い、日本語の勉強の場を設け、実習生として受け入れる。帰国後はタイで雇用し、現地で働いてもらうことはもちろん、希望者には再び日本で働いていただく。このようにスキームを、時間をかけてしっかりと確立させられたことが、3年弱にも及ぶコロナ禍においても、順調に売上を伸ばしてこられた理由につながっているのだと思います。
製造業でしか味わえない
強いやりがいと醍醐味
家づくりはオーケストラと似ていると思います。最高のシンフォニーを奏でるためには、弦楽器、管楽器、打楽器など多くの優秀な奏者の力が必要です。住宅も同様で、多くの人材と優れた工事技術が結集してようやく一軒の家が完成します。当社は、彼ら技術者に高品質のパーツを届ける、縁の下の力持ちといったところでしょうか。ここ数年のコロナ禍をきっかけに働き方も大きく変わりました。リモートで働ける環境が当たり前になる中で、製造業も少しずつ変化してまいりましたが、汗をかく仕事には変わりありません。逆に言えば、汗をかくような仕事だからこそ、リモートワークでは味わえない強いやりがいや、醍醐味を感じていただけると思います。常に技術革新を考え、アジアを股にかけながら成長してきた柴産業で、新たな可能性を探究してみてはいかがでしょうか?