サンエム工業株式会社

1976年に父親が創業して以来、防音工事を皮切りに、断熱工事、耐火工事へと事業領域を広げていきながら、今年9月に50期を迎えることになりました。
近年は不燃断熱工事に力をいれています。当社が使用する素材は大手メーカーとの共同開発によるものです。メーカーが開発した製品は「半製品」の状態で、現場で施工することで完成品になります。これは不燃断熱材の性能が出るように施工しないと、本来の品質が担保されないためです。当社が施工技術開発を担い、吹き付け機械の改良や施工方法・手順といった部分を開発。大手ゼネコンの協力も得ながら、三位一体の開発を行い、2年半の施工開発を経て、2017年末に完成しました。
以前から火災防止は建設業界全体の課題でもあり、2018年に起きた大手企業の建設現場における大規模火災など、危機感が高まっていた時期でした。この開発によって広く不燃断熱材を普及させることで、火災による被害を大幅に減少することに貢献できました。市場規模も10倍へと大きくなる中、「現場での生命に関わる災害は絶対に起こしてはならない」という当社の思いが施工技術の向上や製品開発として寄与し、結果的に施工シェアNo.1という評価を頂く現状は喜ばしい限りです。

代表取締役社長に就任して以来、会社組織のあり方として「社員が成長できる仕組み」を制度化することに励みました。職人個々ではなく、グループ分けして明確な目標をたて、1つずつ解決に向かっていくよりよい組織作りを目指しています。この業界は職人気質で「見て覚えろ、仕事を盗め」といった気風がありましたが、現代ではそれは通用しません。
会社全体で新入社員を育成する教育制度に変更したのです。「技術の見える化」と「育成の標準化」という課題解決のため、入社1～5年目は習得技能定義、いわゆるスキルセットの設定を行い、成長度合いに応じて進めています。役職者でない社歴10年未満の若手に新入社員の指導役を任せています。これにより、指導役も自分の指導方法を考える契機になり、個人としてもスキルアップにつながっていきます。ベテランはあくまでサポート役に徹する形です。こうしてベテラン、中堅、若手とバランスのいい組織へと歩んでいる段階です。

現在、力を入れているのは内勤者の人材採用の強化です。弊社の仕事は、名前を出せば誰もが知っているような大規模建築に携わっており、形に残る仕事ができるといったやりがいがあります。業界からの認知も高く、飛び込み営業をするようなこともなく、顧客から優先受注される信頼度の高い会社でもあります。
また、大手ゼネコンと直接やりとりができる業者というポジションを獲得しているため、大手ゼネコンと伴走できる仕事としてとらえてもらえるとわかりやすいでしょう。工事の頭から終わりまでを担い、工程管理や安全管理などをしていく仕事です。いわば、一気通貫で建築の現場を見渡せて関われる仕事なので、それぞれの知識も身につけることができます。経験を積んだ後、働き方は自分に合った形でさらに仕事を研鑽することができます。1つはずっと上司と共に働いていくパターン。もう1つは、自分が主体となって1から積み上げていくパターンです。いずれにしても、個性に合わせながら社員全員でフォローアップできる体制を構築中なので、安心して働ける環境です。
また、社内のコミュニケーションも活発で、先輩が後輩を連れ立って終業後に飲みにいく姿もよく見受けられます。面倒見のいい先輩や仲間たちが、あなたの挑戦を待っています。