地域に必要不可欠な「何かあった時の桜井さん」
桜井電業所(株)は、1948年にこの稚内で私の祖父が創業し、業歴70年を超える企業です。船舶や自動車、各種工場の電気の修理業として始めました。当時は馬車を使って運送したり、オートバイに道具箱を積んで数時間かけて砂利道を走ってお客様のところまで行き、夜中まで仕事をすることもあったと聞いています。こうした創業当時から続けてきた先輩の方々の不断の努力があったから、「何かあった時の桜井さん」と呼んでいただけるのであり、今日の桜井グループがあるのだと、とても感謝しております。現在、(株)桜井電業所は機電部、消防設備部、電設部、自動車電装部の4部門を柱として事業を行っております。同じ場所に桜井冷熱機械(株)があり、住設部、冷設部、サービス部の事業部によって構成されています。皆さんが普段の生活で使う施設の電気工事や冷暖房設備の設置、保守・メンテに両社は携わっており、一緒になって仕事をさせていただいている施設もたくさんあります。
祖父の教えである「技術力を守る」を継承
私は27才で(株)桜井電業所の代表取締役に就任し、翌年、桜井冷熱機械(株)の代表取締役にも就任。現在も両社の代表取締役を務めさせていただいています。20代で社長になったからといって、特別なことはせず、祖父の教えである「技術力を守る」を最優先に考えました。大学では法学部、前職では営業職を経験しましたが、この業界では非常に珍しい経歴であることにすぐに気づき、2つのことに取り組むようにしました。1つ目は技術力を持っている社員に対する尊敬の念を持ち、お客様に対してどのように仕事をしているのかを理解すること。2つ目は人事評価制度の改定です。これは就任当初から行っており、年1回、全社員との個別面談を実施しています。資格取得の有無、各業務の遂行能力、双方向の人物評価などを盛り込んだ新しい制度を社員と一緒になって作成し、確立することができました。個人面談によって、社員一人一人の相互理解が深まっただけでなく、社員の本当の気持ちを伝えてもらえるようになり、非常に風通しの良い会社となりました。コミュニケーションの重要性を実感することができましたが、社員のモチベーションも高まり、業績アップにも寄与しました。就任当初に目標とした、7年後にグループ2社合計の売上高24億円を達成することができました。7年間で11億円もアップしたのです。社員が一丸となって頑張ってくれたのですが、社員一人一人が自分で目標を設定し、情熱を持って仕事に取り組むことの素晴らしさを体感することができました。
地域住民の方々の日常生活に欠かすことのできない会社
日本最北の地である稚内で創業したことに誇りを持っています。学校、病院、空港、港をはじめ、店舗やホテル等の商業施設の工事にも多くの工事実績があり、地域住民の方々の日常生活に欠かすことのできない会社であることに、社員全員が強い責任を持って日々の仕事に邁進しております。すでに社内における世代交代を通じた幹部社員の育成、教育システムの充実化を進めていますが、今、一番必要なのが、私たちと一緒に働いていただける新しい仲間です。会社とともに自らが成長していきたいという強い意思を持った人材を求めています。案件が多い札幌地区にも対応するため、2023年9月に札幌支店を開設しました。私も札幌地区を定期訪問して営業活動を行っています。お客様の信頼度アップにもつながり、すでに大きな物件を受注させていただくことができました。今後、札幌地区での採用活動や、札幌と稚内の人材交流も行っていきたいと考えています。