株式会社佐久間鉄筋工業

鉄筋コンクリート造のマンションやビル、橋梁や駅などの建造物。それらに使われている棒状の“鉄筋”を図面通りに組み上げていくのが弊社の仕事です。鉄筋は、建物を人間の体にたとえると“骨”と同じ役割を果たしており、流し込んだコンクリートの強度と耐震性を高めてくれます。私たちは、多くの人が安全で快適な生活を送るために欠かせない鉄筋を扱う専門工事会社として、プライドを持って取り組んでいます。大手ゼネコン各社とも多数お取引をいただいており、新潟を拠点に柏崎刈羽原子力発電所などの施設やデンカビックスワンスタジアムといった街のランドマークを多く手掛けてきました。地元を代表し、住民のみなさんに親しまれる建築物に携わってきた実績は、現場の職人はもちろん、営業や内勤の社員にとっても、大きなやりがいにつながっています。私自身も長らく現場に出ていたので、建物づくりには強い思い入れがあります。

弊社では40代半ばの社員が多く活躍しています。高齢化が進む県内の建設事業者のなかでは若年層が多く、離職率の低さも特徴のひとつです。一人前の職人になるまでには3～5年ほどの期間がかかりますが、本人が“日々の積み重ね”を意識して仕事に取り組めば、着実に成長していける環境です。そのために弊社では、資格取得などのスキルアップ支援だけでなく、専門家を招いて「何のために働くのか」「仕事とは何か」という社会人に必要なメンタルを育てる勉強会も積極的に実施しています。
勉強会の効果は大きく、今では社員全員が私と同じ方向を向き、自ら行動できる“ミニ佐久間芳郎”に育ってくれていて、頼もしいかぎりです。また、当社では建設キャリアアップシステムを導入しており、個人の技術力を数値化しています。
このシステムは経験年数やポジション、給与をすべて紐づけて4段階で評価する制度。自分の技術力やポジションなど現在の実力と育成のロードマップが明確になっているので、若手のモチベーション維持にもつながります。
建設業界での若手育成は、先輩の背中を見て学ぶのが一般的なので、建設キャリアアップシステムの導入は他社との差別化にもなっています。佐久間鉄筋は、しっかり努力を続ければ人として成長できる会社でもあるのです。

今の私の目標は、現場で一所懸命働く職人たちの年収を1000万円にすること。かつて建設業界は、きつい・汚い・危険な3Kの職業と呼ばれ、マイナスイメージが根強く残っていました。しかし、東日本大震災で多くの建設事業者が復興支援にあたってからは、その価値が見直されつつあります。当時は私も東北での復旧作業に携わり、自然の恐ろしさと建設業の必要性を肌で感じました。現代の日本でも、地震に加えて大雨や水害など、さまざまな災害に見舞われています。被災地が再び立ち上がるためには、私たちのような建設従事者は欠かせない存在です。作業の一部は機械化やAIを活用した省人化もできますが、有事の際には使用できなくなる可能性が高く、必ず人が介在しなければならない作業も多くあります。災害大国に必要不可欠な職人たちが、正当に評価されて安定した収入を得られるようになれば、若い働き手の確保と技術の継承にもつながるはず。業界の常識をひっくり返す、という大胆な目標ではありませんが、弊社の社員とその家族が幸せに暮らせる仕組みづくりに尽力していきます。