株式会社まつもとコーポレーション

当社のルーツは、塩飽大工の棟梁である父を持つ創業者の松本吉平が、岡山市で土木建築請負業「松本組」を立ち上げた1915年にまでさかのぼります。塩飽大工とは、戦国時代に瀬戸内海で制海権を掌握していた塩飽水軍に属する船大工集団が起こりで、江戸時代末期から明治時代にかけては宮大工や家大工に転身し、中四国や近畿地方の由緒ある神社仏閣の建立などで活躍したといいます。吉平は父から卓越した建築技術を受け継ぎ、大工の棟梁として生業を立てるようになってからは「吉備津神社」をはじめ、岡山でも名だたる重要な建造物の数々を手がけました。私たちは、塩飽大工の流れを汲む岡山県内最古の建設会社としての誇りを胸に、これまで数多くの経験と実績を地道に積み重ねてきました。地元のみなさまに支えられ、2025年にはおかげさまで創業から110年を迎えます。

私が一緒に仕事をしたい人材は、「素直さ」と「礼儀」を持ち合わせている人です。コミュニケーションはどんなビジネスにおいても欠かせません。全ての人に親切で礼儀正しく接することで、コミュニケーションはより活性化されます。人間は感情の動物ですから、そこに素直な気持ちが加わることで、より強固な信頼関係を築けるのです。これまで当社が歩んできた1世紀以上にもわたる長い道のりは、決して平坦なものではありませんでした。時代の急激な変化などで経営危機に陥り、2006年には民事再生法を申請するなど、会社存続の瀬戸際に立ったこともあります。そんな大きな挫折を乗り越えるための原動力となったのは、当社に創業時から根付く「素直な気持ちで取り組む」姿勢だと思います。その「素直さ」とは、相手に対して親切で礼儀正しくあること、笑顔で接すること、気を配ること、そして、あいさつをきちんとすること。こうした小さなことの積み重ねを一貫して大切に守り、愚直に仕事に打ち込んできたからこそ、「まつもとさんにお願いしたい」と多くのお客さまから継続して信頼をいただくことができ、今の当社があるのです。この思いを忘れないよう、2021年からはパーパスとして「親切で礼儀正しく住みよい社会をデザイン」を掲げています。

当社がさらなる成長を図るため、私が着任した8年前からさまざまな改革に取り組んできました。フリーアドレスの導入などIT化の促進を皮切りに、本社オフィスを移転し、部屋の仕切りを取り払ったワンフロアにすることで社内の風通しをスムーズにしたほか、機能性の高いPCやチェアの導入、一息つけるカフェスペースの設置など、みんなが快適に働ける環境づくりにも力を入れました。職場環境を大幅に改善したことで、それぞれの作業効率が格段に上がったのはもちろん、社内のコミュニケーションも深まりました。私もオフィスにいる時間が長いのですが、社員たちとの何気ない会話が増えましたね。たあいもないおしゃべりについつい花を咲かせてしまうこともあるんですよ。
さらに毎年1回、社員との面談の時間を設け、各人の仕事へ抱く思いや会社への要望、将来の夢などについて丁寧に耳を傾けるよう心がけています。全社員と一対一で向き合うのはかなり大変なのですが、社員にとっても非常に有意義な機会になっていると思います。面談から得た結果は、エンゲージメントなどを数値化した上で全社員へフィードバックし、社員の意識向上と、新たな目標づくりや業務改善などにつなげています。

当社社員の年齢構成もここ数年で大きく変化し、現在は20代が約3割を占めるようになりました。彼らZ世代こそが、これからの当社を、ひいては岡山の未来を切り拓いていく主役たちです。彼らが自由に、のびのびと躍動できる舞台を用意するのが私の務め。だから、当社の社員には、大胆な発想で失敗を恐れず、果敢に挑戦し続ける人であってほしい。何より、いつも素直さと礼儀を忘れず、明るく健康であってほしいですね。
私が仕事のやりがいを感じるのは、何といっても社員の笑顔を見た時。「契約が取れた！」などと喜んでいる姿を目にした時は、私も胸がいっぱいになりますね。もうその光景を肴に焼酎を飲みたいぐらい（笑）本当に幸せな瞬間なんですよ。