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高津紙器株式会社

製造
紙器(紙製パッケージ)の企画・製造・販売、工業用紙管の製造・販売

営業職/事務職/技術職/その他

勤務先:愛媛、東京

四国版2027(2026年2月発行)

紙の価値創造と可能性を追求
板紙技術を武器に世界へ躍進

紙の価値創造と可能性を追求
板紙技術を武器に世界へ躍進

高津紙器株式会社 代表取締役社長

高津 俊一郎

PROFILE

1978年4月6日、愛媛県生まれ。学習院大学を卒業後、日立製作所を経て、2004年に家業である高津紙器へ。2018年に代表取締役社長に就任した。目指すのは、「四国に深く根ざしながら、世界へも挑戦できる企業づくり」。そのためには社員全員が「ここで働けてよかった」と胸を張れる環境を守り育てることが自分の使命だと語る。趣味はトライアスロン。自身を限界まで追い込む過酷なトレーニングは、日々の判断力や覚悟にも良い影響を与えてくれるという。

「板紙加工」を極め続けて
紙の街で進化してきた140年の歩み

当社の創業は1882年(明治15年)、私の高祖母にあたる高津カメが、女性の髪を結う元結に巻く「紙管」を作り始めたのが始まりです。それから140年以上にわたり、紙のまち・四国中央市で紙加工業を続けてきました。長い歴史の中では、戦争、火災、事故、不渡りなど、会社が揺らぐほどの大きな出来事が何度もありました。それでも先人たちは謙虚に、真面目に、コツコツと歩みを止めませんでした。その地道な積み重ねが、今日まで会社が続いてきた大きな理由だと思っています。
当社の取り扱う製品は時代とともに変化してきました。トイレットペーパーの芯や、フィルムを巻きつける紙管、帽子箱、冷凍食品用の紙トレー、紙製パッケージなど多岐にわたりますが、一貫しているのは「板紙加工のプロフェッショナル」であるということです。この揺るがない芯こそが、当社の大きな強みです。
現在は四国を中心に、関東のお客様にも製品をお届けし、食品メーカーや衛生品メーカー向けに数千種類の紙製品を製造しています。2020年には新工場が完成し、「清潔さを、巻き取る・包む・載せる」というテーマの下、衛生的で高品質な製品づくりをさらに進めています。
私が掲げているビジョンは「四国に深く根を張り、世界にも羽ばたく会社を創る」こと。循環型社会が進む中で紙の役割はますます大きくなっています。200年、300年と続く持続的な企業であるために、これからも一歩ずつ進化を続けていきたいと考えています。

紙への追い風と、楽観できない現実
共存共栄で広がる紙の可能性を追求

近年は「脱プラスチック」という言葉がよく聞かれるようになり、さまざまなシーンで紙素材が見直されているのは確かです。こうした時代の風潮は、当社にとって確かに追い風ではありますが、だからといって楽観視はしていません。プラスチックという素材は安くて強く、大量生産ができ、なおかつ自由に成形できるという優れた素材です。紙とプラスチックにはそれぞれに特性があり、どちらが優れているかではなく、良いところを生かして「共存共栄」していくべきだと私は考えています。
当社が挑戦しているのは、これまで紙製品が使われてこなかった領域への進出です。たとえば大手航空会社の機内食で使われる料理皿に採用された当社の紙製容器は、機内で行われる焼く・煮る・蒸す・レンジ加熱といった特殊な調理工程にも耐えられるよう設計しており、そこには板紙を扱い続けてきた144年分の膨大なノウハウが生かされています。紙は表に見える見た目だけでなく、「支える」「耐える」といった用途でも大きな力を発揮できる素材なのです。

紙の真の価値が求められる場所へ
価格より品質、海外展開とニッチ戦略

実際に世間では「脱プラ」と謳いながらも、大きく変わったのはレジ袋の有料化くらいで、ストローも紙に変わったと思ったら元に戻ったというケースも少なくありません。環境に優しいから紙製品が選ばれる、その構図はまだまだ弱いのが現実です。とはいえ、紙には紙ならではの魅力があります。優れたデザイン性や心地よい手触り、印刷の表現力、油を吸うなどの機能性、食品の風味を損なわないといった利点も多くあります。これは紙の大きな優位性だと思います。
今後は、紙製品へのニーズが高い海外にも積極的に目を向けていきたいと考えています。特にヨーロッパやオーストラリア、ニュージーランド、香港など、プラスチックに関する規制が進んでいる地域は非常に有望です。2005年にドイツで開催された展示会にも出展しましたが、こうした海外の舞台にどんどん挑戦していくつもりです。
ただ、世界で戦っていく上では価格競争では勝てません。中国や韓国製品の安さにはどうしても敵いません。だからこそ、勝負していく舞台として、品質や安全性が求められる分野に特化する必要があります。例えば航空会社や運輸系など、紙製品でも高い性能が求められる、ニッチだけれど確実に必要とされる領域を狙っていく戦略です。
紙でできること、プラスチックでしかできないこと、それぞれの特性を認めた上で、紙の価値を最大限に発揮できる場所へ製品を届けていく。そこに、これからの当社の伸びしろがあると期待を寄せています。

紙製品の可能性と未来を拓く
素直さと行動力ある人とともに

紙業界全体を見ると、雑誌やノート、プリント用紙といった「読み書きの紙」はデジタル化の影響で大きく減っています。ただ、当社が扱う板紙の加工製品は、その流れをほとんど受けていません。
板紙は生活や産業の裏側で使われ続ける素材で、物流、食品製造、工業など、どの現場でも欠かせません。トイレットペーパーの芯、フィルムを巻く紙管、冷凍食品トレーなど、身近な場面で常に存在しています。そのため、読み書き用の紙が減ったという理由だけで業界全体を語るのは正しいとはいえません。実際に、脱プラスチックの流れを受け、食品用紙容器やパッケージの需要は増えており、機能性板紙のニーズも確実に広がっています。縮むところがあれば伸びるところもある、これが紙業界の現実だと思います。
こうした次代環境を背景に、当社の次代を担う人材に求めるものは明確です。まずは「素直さ」。アドバイスを一度受け止めてすぐに試してみる姿勢がある人は、成長スピードが違います。
また、これから海外市場に挑む当社にはやはり行動力が欠かせません。まずは「動く」ことができ、メールの返事ひとつでも早い人。私は「スピードは正義」だと考えているので、反応が速い人ほど組織を前に進めてくれると期待しています。さらに、AIをはじめとするデジタルツールに抵抗を感じず、いわゆる「デジタルネイティブの感性の有無」も重要です。新しいものを面白がって触れる人がいるだけで、組織は自然に前進するはずです。
当社の紙製品の価値をさらに高め、新たな領域を切り拓くには人材の力が不可欠です。素直で、スピードがあり、デジタルにも積極的な人とともに、次の100年に向かって歩み続けていきたいですね。

高津紙器株式会社

所在地
愛媛県四国中央市川之江町3691番地
電話番号
0896-56-2423
創業
1882年
従業員数
74名
売上高
13億7,000万円(2024年9月期)
事業内容
紙器(紙製パッケージ)の企画・製造・販売、工業用紙管の製造・販売
企業サイト
https://www.kozushiki.co.jp
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