株式会社池田熱処理工業
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技術職
北海道版掲載 勤務先:北海道
一流の技術はそのままに
時代のニーズを捉え続ける
一流の技術はそのままに
時代のニーズを捉え続ける
株式会社池田熱処理工業 代表取締役
池田 隆久 氏
いけだ たかひさ
PROFILE
1968年札幌市生まれ。本州の同業企業で金属熱処理の経験を積み、2002年に池田熱処理工業に入社。2010年6月に取締役、2015年に代表取締役に就任。
道内屈指のメーカーとして
60年以上リーダーシップを発揮
熱処理とは、金属に熱を加え冷却することで耐摩耗性・じん性を向上させる技術のことです。自動車部品をはじめとする国内外のメーカーからの受注に対応するため、当工場では3交替24時間体制で稼働しています。
私は大学卒業後、神奈川と愛知の2県で業界トップクラスの金属熱処理加工メーカーで研鑽を積みました。
父からバトンを受け継いで以来、経営者として最重視してきたのは、高品質な製品づくり。
現場では、安全衛生委員会による「安全パトロール」実施により、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の5Sを徹底し、ミスや事故が起きないしくみを構築し、クオリティの高い製品を提供するよう努めています。
父は、85歳で会長を辞するとき、「会社を取り巻くすべての人たちに対し感謝を忘れないこと」と述べました。そのため経営マネジメントでは、父の築き上げてきた企業風土を守りつつ、時代のニーズに合わせて就業規則や給与規定を一新。町工場のイメージを払しょくし、より近代的できれいな、働きやすい工場へと変革を進めていきました。
また、SDGsの取組みの一環として、切削屑や熱処理油などのリサイクルや、社内業務のDX化にも取り組んでいます。
国籍や年齢、性別の垣根をなくし
誰もが強みを活かせる職場環境へ
「人」は財産であり、会社の存続に欠かせません。国籍や年齢、性別の垣根をなくし、互いの個性を認め合い、一人ひとりが自身の強みを活かせる職場環境を今後も維持していきます。
今後、新たな事業の柱として注力したいのは、航空機部品の製造です。航空機産業は参入障壁が非常に高く、大規模な設備投資や各種認証の取得など、多くの厳しい条件をクリアする必要があります。そのため、当社では2022年3月、道内の加工メーカーと協力して航空機産業参入を目指し、サプライチェーン「SACSuC(サクサク)」を立ち上げました。本州の航空・宇宙機器加工メーカーをアドバイザーに迎え、航空機だけでなく、プライベートジェットや空飛ぶクルマ、物流ドローンといった市場開拓も視野に入れて活動を行っている最中です。
航空・宇宙分野で求められるのは、従来以上に妥協のない品質保証と品質管理。製造工程では、より複雑な形状の部品を加工する必要があります。そのため、現在、航空宇宙・防衛産業に特化した品質マネジメントシステムJIS Q 9100の取得を目指し、準備を進めています。
金属熱処理という特殊な加工工程は、いつの時代もどの工程でも必要とされるものです。それを北海道で担う数少ないメーカーとして、私たちはこの火を絶やしてはいけないという、強い想いを持っています。
今後も人財育成に力を入れ、技術面だけでなく、材料工学などの工業の基盤を有するエンジニアを育てていきたいと考えています。共に切磋琢磨し、励まし合える仲間が、ひとりでも多く私達のチームに加わっていただけたら本望です。
株式会社池田熱処理工業
- 所在地
- 北海道札幌市東区東雁来3条1-1-27
- 電話番号
- 011-781-5555
- 設立
- 1963(昭和38)年10月
- 従業員数
- 48名
- 売上高
- 9億円(2023年6月期)
- 企業サイト
- http://www.ikenetu.com/