2021年にホールディングス化グループ5社でビジョンを共有
当社は、道北の中核都市・名寄市を拠点に、土木工事業、建築工事業、砕石業、砂利・土砂の採取業、除雪・排雪請負業を行う総合建築会社です。札幌と旭川、士別に支社を持ち、2021年10月には関連会社5社をグループ企業とする五十嵐ホールディングス株式会社を設立。グループ全体で一つのビジョンに向かって、足並みをそろえて歩み始めました。当社は1957年、「五十嵐砂利店」として祖父と祖母が名寄市に創業しました。当時は砂利を、馬を引きながら運んでいたと聞いており、そのときに祖父と祖母が歩いた一本の道が当社とお客さまをつなぎ、人の輪を広げてくれました。そのため、グループスローガンは「この道が、人をつないでいる。」。“道”という言葉は当社にとって深い意味を持っています。私は2012年、当社に取締役社長室長として入社しました。もともとミュージシャンとして東京で活動していましたが、2011年の東日本大震災後に心境に変化がありました。音楽は私にとって人を幸せにしたり人の背中を押したりするものでしたが、一方で「より直接的に、誰かの役に立つことがしたい」と志したのです。その後、当時2代目社長を務めていた父の背中を追う形で、経営に携わるようになりました。2020年に代表に就任して以降は、「従業員の幸せ」を第一に考えてきました。というのも、市内の大手建設企業として雇用の促進を進めてまいりましたが、「働き口がないから仕方なく就職する会社」というイメージも抱かれていたかもしれません。そうではなく、「五十嵐組だから働きたい」と思ってもらえる企業になりたい。そのため就業規則や評価制度、給与体制を刷新。社員一人ひとりがワークライフバランスを実現できるよう、介護休暇や特別休暇などを導入しました。さらに、「2030年までのアクションプラン」を施工し、会社のロゴマークや社章、ホームページ、制服、名刺などを近代的なデザインに一新。企業イメージは元より、業界全体のイメージアップに貢献するため、これからも全面的な改革を続けていきます。
名寄の町に還元するため歩みを止めず、事業を拡大
建設業界には従来、“厳しい労働に耐え、大変な仕事をできるようになって初めて満足のいく待遇が得られる”という考え方が根付いていました。しかし、「まずは雇用側が、働く人が最大限のポテンシャルを発揮できる環境を用意する」というのが当社の考えです。社員一人あたりの業務負担を減らすために、デジタル技術も盛んに取り入れています。たとえば3D設計データを活用した「ICT施工」や、専用カメラによる遠隔操作で、現場へ直接行かずとも立ち会いができる「遠隔臨場」。社員が気持ちよく働ける環境を整えることで、仕事のクオリティが上がり、お客さまにも喜ばれる。働く人の幸せを考えることが、顧客満足につながるのです。名寄市は、地方のほかの自治体と同様、少子高齢化が進んでいます。それでも、総合病院や大手企業の営業所がある近隣エリアの中核都市として機能しており、中心部の飲食店は名寄市立大学の学生さんで賑わっています。こうした風景を守り、町を活気づけるには、地域密着型企業である我々が、「元気な企業」で在り続けることが大切。地域の安心・安全を守りつつ、事業を成長させ、利益を名寄の町に還元していきます。この仕事の何よりの価値は、「地域からの信頼を得ること」だと私は考えております。将来的には「北海道の五十嵐グループ」と呼んでいただけるよう、時代のニーズを敏感に捉え、果敢にチャレンジを続けてまいります。