留学先での発見と感動
北海道ブランドを世界へ
私が中国・河南省から留学生として北海道に降り立ったのは2009年のことです。北海道大学で経済を学ぶ傍ら、まず驚かされたのは圧倒的な雪の量、さらに何より、食べ物の驚くべき鮮度と美味しさでした。海外でも「北海道」「札幌」の名は広く知られていますが、それは単なる地名ではなく、食品や自然に対する絶対的な信頼のブランドでもあります。この土地の魅力を肌身で感じた実体験が、後に私の歩むべき道を決定づけることとなりました。卒業後は道内のお土産店で働き、外国人観光客が何を求め、いかに道産品が愛されているかを最前線で目にしてきました。そこで「北海道の良質な品々は、世界でも必ず愛される」という強い手応えを掴んだのです。2015年の起業当時は知識も人脈もゼロからのスタートでしたが、輸出業を軸に一歩ずつ信頼を築き、現在は道内300社、5,000品を超える道産商品を取り扱うまでに成長しました。今も私が北海道に拠点を置き続ける理由は、生産者やお客様との距離の近さにあります。現場で聞こえる生の声を、タイムラグなく事業や商品づくりに反映できる。そのスピード感が私たちの強みであり、何より土地の熱量に触れながら新しい挑戦ができるワクワク感こそが、今の私を突き動かす大きな力になっています。
ECとリアルの融合で機会創出
メーカー機能で自社ブランド化
現在、当社は企画・開発から卸売、さらには輸出までを一貫して手がける体制を整えています。なかでも成長を牽引しているのが、海外向けECとインバウンドの融合です。海外ECでは、国ごとに異なる食品表示や厳しい規制を地道にクリアしながら販路を拡大。単にモノを売るだけでなく、ライブ配信やSNSといった最新の手法を通じて、生産者の想いや「北海道という背景」ごと伝える取り組みを重視してきました。こうした丁寧な発信の積み重ねが、現地のニーズを的確に捉えた商品提案へと繋がっています。一方で国内では、訪日客との「リアルな接点」をさらに強化しています。2025年12月には、自社のオリジナルスイーツブランド『MILKBATON(ミルクバトン)』の旗艦店をオープンさせ、ブランドの世界観を直接体感いただける場を創出しました。店舗で実際に商品に触れたお客様が、帰国後も越境ECで再び購入できる。このスムーズな導線を整えることで、一度きりの観光体験を継続的なファン化へと繋げていく考えです。この『MILKBATON』のように、自らメーカー機能を持ったことは大きな転換点となりました。商品設計から販路開拓までを見通せる強みを活かし、現在は道内の企業や自治体と連携した一次産品の加工・ブランド化にも注力しています。農業や畜産業が資材高騰や後継者不足に直面するなか、私たちの持つ輸出やECのノウハウを活かし、素材の価値を最大限に高めて市場へ届ける仕組みを作りたいと考えています。こうした挑戦を支えるのは、海外事業やITなど多様なバックグラウンドを持つスタッフたちです。各国の言語や文化の違いを強みに変え、業務の標準化やデジタルツールを積極的に活用しながら、変化の激しい市場にチーム一丸となってスピード感を持って対応しています。
新たな領域に挑み続け
北海道の価値を創造する
これからの10年は、これまで築いてきた事業をさらに積み上げ、北海道のポテンシャルを多面的に広げる重要な時期になります。食と観光に加え、IT決済や医療ツーリズムといった新分野に挑戦し、地域と市場をより強固に結びつけていきたい。また、事業を通じた貢献のみならず、道内スタートアップや地域産業への投資・支援にも力を注ぎ、共に成長できるエコシステムを築いていく考えです。地域に根ざしているからこそ見える景色とそこから生まれるアイデアが、新たな価値を生むと信じています。北海道で得た恩恵を地域へ還元し、次の世代へと繋いでいく。その歩みを共にする仲間と共に、100年先も愛される企業グループを目指して、これからも北海道の魅力を「伝えて・つないで・育てて」いきたいと思っています。