千歳林業株式会社
- 林業・農業・漁業
北海道版2026(2025年4月発行)
広大な社有林と高性能機械で
林業の新たな可能性を開く

広大な社有林と高性能機械で
林業の新たな可能性を開く
千歳林業株式会社 代表取締役社長
栃木 幸広 氏
とちぎ ゆきひろ
PROFILE
磯谷郡蘭越町出身。1983年4月、蘭越町森林組合に入所。1990年4月、同社に入社し管理係長に就任。1992年4月、管理課長に就任。1996年4月、常務取締役に就任。2007年6月、専務取締役に就任。2016年5月、代表取締役社長に就任し、今日に至る。
豊富な森林資源を活用し
長期安定的な会社経営を
1988年創業と業歴は長くありませんが、2002年頃から積極的に山林の取得を行い、現在、社有林の総面積は約1万6500ha。ほぼ全域がSGEC(持続可能な森林経営を審査・認証する機関)の認証を受けており、生物多様性や空気・水等の保全に配慮して森林を育てていくことに重点を置いています。
広大な社有林は木材供給だけでなく、Jクレジット(国による温室効果ガスの排出削減・吸収量の認証制度)に基づく排出権取引や、風水力・太陽光発電等に供する不動産取引においても有用です。
またマウンテンバイクコース等のレクリエーション用途への土地活用、山菜・茸等の林産資源活用まで含め、所有する山林を使ってできることには幅広く目を配り、いわゆる「林業」のイメージにとらわれずに新しい挑戦を続けています。ひとつひとつは大きな利益の出る取り組みでなくても、そうした副産物的な収入は、長い時間のかかる本業の森づくりを安定的に行っていく支えになると考えているのです。
高性能林業機械の導入で
効率的かつ安心安全な現場作業
中でも鍵となるのは、2001年頃から積極的に取り組んでいる高性能林業機械の導入。伐倒・枝払・集積・玉切選別等を一貫して行えるため作業効率が飛躍的にアップし、急傾斜地や凸凹地での機動力も上がりました。おかげでかつては生産性の低かった樹種も、今では輸入材に対抗できるだけの利益を確実に出せるようになってきています。
業務の機械化は、労働条件の改善にもつながります。特に現場作業の安全性向上や労働負担軽減に果たす役割は、非常に大きいと言えるでしょう。現状ではまだ機械化されていない植栽・下刈り等の造林業務についても、今後の実現に向けて目下、新機械の開発を進めています。
脱3K!現場の声を生かし
働きやすい環境を整備
また山中での作業が中心になるため原則として1人1台の社有車を貸与し、移動手段として、また休憩時等のプライベートスペースとしても利用してもらっています。現場へは自宅からの直行直帰が基本で、業務報告や社員間の情報共有にはラインワークス等のシステムをフル活用。従業員を大事にするのがモットーですので、現場の声を聞き、多様な働き方に対応できるよう配慮しています。
まったくの未経験でも、働く意欲や仲間とコミュニケーションを取る姿勢があれば、機械操作などの仕事はすぐに覚えられます。現に異業種からの転職者や新卒の女性社員も、現場でバリバリと活躍してくれていますから。
木を植えて育てて伐る循環型林業は、自分の手で豊かな自然を守っていく誇りある仕事。安定した環境で働きつつ、森林の利活用の可能性を一緒に開拓してくれる新たな仲間が増えてくれることを期待しています。
▼薪の生産も行っており、暖炉付き別荘やグランピング等で需要が拡大している
千歳林業株式会社
- 所在地
- 〒044-0066
北海道虻田郡倶知安町琴平152-27 - 電話番号
- 0136-23-2112
- 設立
- 1988(昭和63)年2月
- 従業員数
- 72名(関連会社含む)
- 売上高
- 13億5,063万円(2024年3月期)
- 企業サイト
- https://chitoseringyo.com