株式会社アベストコーポレーション

2003（平成15）年10月設立の当社は、神戸ポートタワーホテルを中核として全国でホテルの運営を手がけています。経営で意識しているのは、接客業としてのお客さま第一。あとは、人材があってこその会社経営であると考え、社員を大切にすることを心がけています。コロナ禍の際には、私たちホテル業界も苦境に立たされましたが、当社では正社員・アルバイト、パートともに解雇はゼロでした。現状維持も大変な時期でしたが、清掃を自分たちで行い、経費を抑えるなど、社内が一丸となって工夫をしました。スタッフのみんなが辞めずにがんばってくれたおかげで、なんとか経営を続けることができたのです。
コロナ禍前の最高売上げは36億円でしたが、それが16億円にまで落ち込むなど、とても大変な時期でした。しかし逆にいい物件を仕入れるチャンスと捉え、攻めの姿勢でホテルを部屋数にして約1,000室増やしました。人員を減らさなかったことが幸いして、スタートダッシュをきることができ、コロナが第五類に移行して初の2024（令和6）年の3月決算では過去最高を達成。本年度は80億円、2年後には100億円を目標に掲げています。

この仕事のやりがいは、お客さまの喜ぶ姿です。夏休みには各ホテルでイベントなども開催しているのですが、とても楽しかったと口コミに書いてくれたお客さまもいらっしゃいました。こうしたイベントは、従業員が自主的に考えて実施しているものです。それもひとえにお客さまの笑顔を作るため。そういう企画に対しては、私たちも基本的に口出しはしません。
当社ではホテルアベストのほかにも、グランデシリーズ、SUI、リゾートなど、さまざまなホテルを運営しています。それぞれの特徴を生かしつつ、スタッフが協力し、助け合えるところが当社の強みだと考えています。たとえば、普段フロント業務をしているものが、繁忙期には調理補助や配膳などもこなします。これらは強制しているのではなく、「仲間を助けたい！」という思いから、部署は関係なくヘルプに飛んでいくのです。規模が大きくなった今でも、その精神は受け継がれています。最近では、仕事を続けながら学べるようにAIを使った学習システムも取り入れました。当社独自のプログラムを使い、全員がある程度のレベルまで達成できることを目指しています。

神戸市の養護施設（13施設）の子供たちを、神戸ポートタワーホテルでのお食事ご招待（毎年：年1回）する活動は以前から継続的に取り組んでいます。新たに、去年から高槻市にて「子ども食堂」を月1回の頻度でスタート。高槻市以外にも札幌・京都・神戸にも活動の幅を広げており、子どもたちからお礼の手紙をもらったりすることが、とても励みになっています。
また、ホテル宿泊者向けの「レンタカー事業」にも着手。札幌と白馬村を皮切りに、主要都市を中心に拡大していく構想です。さらに浜松にも新たにホテルをオープン。これからも順調に数を増やしていきたいですね。そのためには新たな人材が必要です。ホテルの仕事自体は基本的にルーティンでむずかしい事はしません。大切なのは笑顔。そして、人が好きだということです。
私が社員に対して求めることは、何事に対しても情熱を持つことです。現在在籍している社員も、情熱的でがんばり屋さんの人が多いです。当社はアルバイトを経て社員になる人も多いのですが、中にはなんと、サービスに感激してお客さまから社員になった方もいます。当社が行う寄り添う接客を体現し、一緒に働いてくれる方が来てくだされば心強いですね。